生活に溶け込んでいる京町屋の文化

生活に溶け込んでいる京町屋の文化

京町屋建築イメージ

京都では、古い民家のことを町屋と呼んでいます。京町屋は、奥行きが60mもあり、靴を脱がないで歩ける通り庭が奥まで続いている特徴的な建物です。通り庭は、吹き抜けになっているため開放的で、台所で煮炊きをしてもニオイが籠らないようになっています。

京町屋の工夫

京都は海から遠く川からも遠いので、昔の人は木材をすぐに用意することができませんでした。そのため中2階には、修繕用の木材や建具をストックしておく木置きというスペースがあります。現代では、改装して物置にしたり、子供部屋にするなどの工夫をして使われています。

それから、京町屋の奥の間にある庭を前栽と言います。小さな庭を設置することで、風通しや採光が良くなるのです。庭には、水滴の音を楽しむ水琴窟など意匠に富んだものや、灯篭、植木などによって風情を感じることができます。京町屋では、スペースを有効利用するために、階段が急勾配に設計されています。階段は、収納スペースが付けられた階段箪笥が印象的です。箪笥や納戸、格子には、弁柄という独特の赤い漆が塗られており京町屋に趣を与えています。

京町屋の耐震性

京都盆地の周りには、沢山の活断層があり、江戸時代以降10回以上も大地震が起きています。近年では、震度7以上の震災が起きていますが、京町屋は大きく揺れても倒壊することはありませんでした。逆に、現代構法で建てられた木造建築が倒壊してしまったのです。現代構法も木造建築は、柱の足元を金具で留めている上に、筋交いと言われる木材で柱を補強しています。がっちり固定して、地震の揺れを小さくする構造でした。

一方、京町屋は大黒柱の足元に一つ石というものが置いてあって、石の上に柱が置いてあるだけのものが多く見られます。それから、柱同士を連結する貫と呼ばれる部分にも隙間があり、接合部分にがっちりと固定されていません。町屋はこのように建てることで、地震の揺れを足元に逃がすことができたのです。

生きた生活の場

町屋は、お店として建てられたものなので、殆どが街中にあり生活するのにとても便利です。歴史と共にあるお祭りや、お地蔵様を身近に感じることができます。

京町屋において打ち水は、生活の知恵であり礼儀作法です。背筋がスッと伸び、心が豊かになる京町屋は、異文化交流、アートギャラリー、地域交流の場としても活用されています。見事に現代と融合する京町屋は、歴史に名を残す絵師や文豪と同じ時代を生きた家で暮らすことができる貴重な空間です。